免疫調整機能

ラクトフェリンの免疫調整機能として注目されているのが、がん治療への利用です。国立がんセンターでは、動物実験にて経口投与したところ、ラクトフェリンに発がんを抑制する作用やがん転移を予防することを確認しています。実際には人への臨床試験がまだ実現しておらず、動物と人とで同じ効果が得られるかは不明ですが、動物実験ではラクトフェリンを与え飼育した場合で発がん率は半分~4分の1まで低下することが確認されています。ラクトフェリンががんに効果があるのは、ラクトフェリンに抗炎症作用があるためだと考えられています。さらにラクトフェリンは抗菌作用により腸内の悪玉菌の生育環境を奪い、善玉菌を増やすことから、腸にある免疫細胞の働きを高めるともいわれています。

免疫細胞の60~70%が腸にある

ラクトフェリンががんのような病気にも効くといわれるのは、鉄と結びつき悪玉菌の生育環境を奪い、腸内環境を整える効果があるからです。全身の免疫細胞のうち、60~70%は腸管に集中しています。免疫とは細菌やウイルスなど外界から進入してきた病原菌から体を守る働きのことです。がんが発生するのも免疫作用と大きな関連性を持っており、免疫力を高めることは様々な病気への防御システムを高めることになります。免疫力と大きな関連性を持つのが腸の腸管免疫システムです。小腸にあるバイエル板は免疫組織のひとつで、ラクトフェリンはバイエル板に働きかけることができます。腸内環境が乱れると免疫組織が働かないため、感染症にかかりやすくなったり、がんなどの病気になったりするのです。

がんに有効な摂取量

サプリメントやラクトフェリン入りヨーグルトでは、1日あたり100~300mgのラクトフェリンを摂取できるようになっています。しかし、これは最低摂取量の目安であり、疾患によっては量を増やすことが求められています。がんのような重篤な疾患の場合は、1日900~1,200mgものラクトフェリンを摂取しなければならないと考えられています。この量は、がんの二次予防、がんの痛みの予防効果を高めるために必要とされているものです。さらに注目したいのが、がん治療に必要となる化学療法と兼用すると、ラクトフェリンは効果を高め副作用を軽減させることがわかっています。がん治療の大きな問題は、抗がん剤による副作用の発生で、体力が無い人には使うことができない点です。兼用することで治療効果が高まる恐れもあります。