もう迷わない!乳酸菌サプリや飲料の効果
「乳酸菌サプリや飲料は気になるけど、腸まで届く必要があるかわからない」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
乳酸菌で腸内環境を整え、免疫力アップをしたいと考えたとき、乳酸菌は腸まで届くほうがいいという説と、乳酸菌は腸まで届かなくてもいいという2つの説があるため、よくわからないという方も多いでしょう。
そんなあなたでも、乳酸菌のことがわかります!
実は「乳酸菌は腸まで届く必要がない」のです。
この記事を読めば、なぜ乳酸菌は腸まで届かなくてもいいのかもわかるようになります。
確かに乳酸菌は腸まで届く必要があるという論文も以前はありました。
しかし、最近は検証方法も進化し、腸まで届かなくても効果があるということが証明されるようになったのです。
乳酸菌は、腸内環境を整えるだけの効果ではないという新たな効果も徐々に明らかになってきました。
このページでは乳酸菌が腸まで届く必要がないという根拠や、乳酸菌の効果と、そのメカニズムを紹介します。
乳酸菌サプリや飲料を利用したいあなたに、ピッタリの乳酸菌が見つけられたら幸いです。
目次
1・乳酸菌のメカニズム
乳酸菌が腸まで届く必要があるか根拠を提示する前に、基礎知識として乳酸菌のことを理解する必要があります。
- 乳酸菌の排せつ物が乳酸
- 糖やアミノ酸をエネルギー源にする
- 乳酸は発酵食品に必要
- 乳糖が乳酸に変わる
- 乳酸は酸性の性質
- 乳酸菌は腸内にも住み着いている
- 赤ちゃんのお腹には乳酸菌が90%
- 乳酸菌はずっと腸に住み着くことができない
- 発見されたものでも600種類ある
- 乳酸菌の数え方
最初にこれら10個の項目について解説していきましょう。
1-1・乳酸菌の排せつ物が乳酸や酢酸
乳酸菌とは細菌の一種で、腸内に住み着く微生物です。
その大きさは0.5~10μmと小さく、肉眼では見ることはできません。
人に影響を及ぼし病気を引き起こす細菌も多数ありますが、乳酸菌は排せつ物に「乳酸」を含むことから、食品の腐敗を防ぎ貯蔵するための材料として利用してきました。
そのため、乳酸菌は発酵食品には欠かせないものなのです。
乳酸菌が悪玉菌の邪魔をする
発酵したヨーグルトが酸っぱいのは、乳酸菌が生み出した「乳酸」が含まれているからです。
実は、このヨーグルトに含まれる乳酸は、運動して生じる乳酸と同じもの。
運動後の筋肉にはたくさんの乳酸が発生し、これが疲労物質だとされてきました。
ところが最近の研究では、乳酸は疲労物質ではなく、急激な運動で糖が消費されてしまったときに、乳酸が代わりに使われるという説が登場しています。
乳酸というのは強い酸性をもっていて、腸内で発生することで、悪玉菌の邪魔をしてくれます。
乳酸ができることで腸内が酸性に保たれ、悪玉菌の増加を防いでいるのです。
1-2・糖やアミノ酸をエネルギー源にする
乳酸菌のエネルギー源は、糖やアミノ酸。
乳酸菌は糖分をエネルギーにして、大量の排せつ物である乳酸を発生させるのです。
乳酸を発生させる細菌は多数ありますが、乳酸菌は糖から50%の割合で乳酸を発生させるのが特徴です。
実は乳酸菌は植物や動物の腸内などにも存在し、植物にも影響を与えています。
糖分を多く含む果物が熟成し、さらに熟成が進むと傷んでくるのは、乳酸菌により糖を分解しているから。
さらに乳酸菌はアミノ酸もエネルギーに変える働きがあります。
牛乳にはたんぱく質が含まれており、乳酸の力でアミノ酸がエネルギーとして使われると、牛乳のたんぱく質はアミノ酸まで分解され、吸収しやすい状態となるのです。
1-3・乳酸は発酵食品に必要
乳酸菌が生み出す乳酸の力は、食品の腐敗を予防し、発酵させる作用があります。
古くから利用されている発酵食品といえば、ヨーグルトが挙げられるでしょう。
ヨーグルトは家畜から絞った乳に乳酸菌が偶然入り込み、発酵して生まれたものだとされています。
日本でヨーグルトが広まったのは、大阪万博以降にブルガリアヨーグルトが登場したことだといわれているようです。
乳酸菌が持つ発酵の力は、ほかにもキムチ、ザワークラウト、ピクルス、漬物、メンマ、チーズ、発酵バター、生クリームのように、私たちの生活に多く使われています。
1-4・乳糖が乳酸に変わる
牛乳に含まれる乳糖は、お腹を壊す原因でもあります。
日本人は乳糖を分解できる人が少ないため、牛乳を飲むとお腹を壊す人が多いのです。
牛乳でお腹を壊しやすい人でもOK
牛乳でお腹を壊す人でも、ヨーグルトやチーズのように乳酸菌で発酵させたものは、大丈夫な人は多いでしょう。
その理由は、乳酸菌の作用により、乳糖が乳酸に変わっているためです。
乳製品はたんぱく質やカルシウムの摂取としてもすぐれている食品ですから、牛乳でお腹を壊しやすい方は、ヨーグルトやチーズを選びましょう。
1-5・乳酸は酸性の性質
人々は乳酸菌が生み出す乳酸の力を使って、食品を腐敗させない作用として利用してきました。
乳酸は酸性の性質を持っているため、食品を腐敗させないだけでなく、腸内環境に住み着く細菌を減らす働きもあります。
菌が発生しにくい
乳酸菌で発酵させたヨーグルトが、牛乳より長持ちするのは、乳酸による効果です。
乳酸の力はほかの細菌を寄せ付けず、食品の保存性を高めます。
さらに腸に乳酸菌が取り込まれると、腸内で発生する腐敗菌や病原菌を防ぐ役割も持つものです。
とくに乳酸菌の一種であるビフィズス菌は、乳酸以外にも酢酸をつくり出し、酢酸が大腸で増殖する「O157」を抑制するということでも話題となっています。
1-6・乳酸菌は腸内にも住み着いている
乳酸菌はどこにでも存在する細菌で、人間の皮膚の上や腸内にも住み着いています。
特定の細菌が乳酸菌と呼ばれているわけではなく、乳酸を作りだす細菌の総称です。
人の腸内に住み着く乳酸菌とはビフィズス菌が多く、ヒト由来の乳酸菌を使った整腸剤などもあります。
腸内が乳酸で酸性に保たれる
人の腸内に乳酸菌が住み着いていることで、糖をエネルギー源に乳酸が作られ、腸内が酸性に保たれます。
この効果はさまざまな恩恵をもたらしているのです。
菌が繁殖しにくい
悪玉菌や食中毒をおこす細菌が繁殖しにくい環境をつくり、腸内環境を整え病気から守ってくれます。
腸内環境が乱れて乳酸菌が減ってしまうと、毒素が発生しやすい状態となり、病気のもととなるため注意が必要です。
感染症にかかりやすい方も、腸内の乳酸菌が減少している可能性があります。
膣内を酸性に保ち膣炎を防ぐ
女性にとって腸内の乳酸菌がとても大切です。
もともと膣内には乳酸菌が住み着いていて、膣内を酸性に保ち、細菌が入り込まないようにしています。
ところが過労やストレス、抗生物質の服用などの影響で乳酸菌が減ってしまうと、膣炎をおこしてしまうのです。
膣がかぶれやすいのは細菌感染が多く、常在菌の一種カンジダ菌が増殖してしまうこともあります。
病院に行けば抗菌剤の使用や膣洗浄によって症状は治まるでしょう。
しかし、もともと皮膚や腸内に住み着いている乳酸菌の数が減った状態では、根本的な解消にはなりません。
実は腸内環境の悪化と膣内の問題は密接な関係性があることがわかっていて、膣炎を繰り返す人は、乳酸菌の摂取がすすめられるのです。
腸内も外界と接していて皮膚の一部ですから、膣と腸は関係があります。
膣炎の治療にヨーグルトを直接塗る方もいるそうですが、膣炎を繰り返すなら乳酸菌サプリなどを利用し、腸内環境を整えるのが一番でしょう。
赤ちゃんの細菌感染から守ってくれる
胎内にいる赤ちゃんは無菌状態で、出産の際に産道を通ることで、母体由来の乳酸菌が赤ちゃんに移行します。
赤ちゃんは生まれた直後からさまざまな細菌に触れますから、母体由来の乳酸菌をもらうことで、細菌感染から守る働きがあるのです。
実は最近赤ちゃんにアレルギーが増えているのは、帝王切開で母体由来の乳酸菌をもらうことができなかったから、と指摘するデータも出てきています。
スペインの産婦人科医、小児科医、アレルギー専門医を含む研究グループは、帝王切開とアレルギーの関係性を発表しました。
予定帝王切開で小児喘息の割合が33%増加したとのことです。
英エジンバラ大学の研究データが発表した内容でも、帝王切開は小児喘息のリスクを高めるという内容です。
予定帝王切開で小児喘息の割合が22%増加しました。
論文では明確な根拠まで提示していることは少ないものの、帝王切開では赤ちゃんが母体由来の乳酸菌をもらうことができず、免疫力が低下すると考えられているようです。
これから妊娠や出産を予定されている方は、今から母体の腸内環境を整えるために、乳酸菌サプリを活用するのもよいでしょう。
1-7・赤ちゃんのお腹には乳酸菌が90%
赤ちゃんのお腹には90%の乳酸菌が含まれているといわれています。
そのなかでもビフィズス菌がほとんどを占めていて、成長するごとに腸内環境が変わってくるのです。
生後3か月までビフィズス菌がほとんどを占めているのは、赤ちゃんの免疫力が未完成なためです。
ビフィズス菌からは乳酸や酢酸が産生され、細菌に対抗する力が強くなっています。
さらに母乳にはオリゴ糖が含まれ、乳酸菌のえさとなり、成長することによって腸内に定着する乳酸菌の種類も変わってくるのです。
このように赤ちゃんは、生まれてから多数の細菌に触れることによって、免疫機能が高められます。
昔は必要以上に除菌する習慣はなく、子どもは外を遊び多くの菌に触れる機会がありました。
現代では過剰な衛生環境を求めるあまりに、菌に触れる機会を失っているといえます。
年齢とともに減少

画像出典:http://bb536.jp/basic/basic02.html
生まれたばかりの赤ちゃんの腸内には、乳酸菌のビフィズス菌がほとんどを占めています。
離乳食が始まる頃にビフィズス菌は減り始め、便のニオイが変化していくのです。
新生児の赤ちゃんをお世話したことがある人ならわかりますが、新生児のころは臭いが強くないのに、離乳食が始まってくると臭いが出てきます。
さらに加齢により乳酸菌の割合が減り、大腸菌や、ウェルシュ菌などの悪玉菌の割合が増加します。
生後3か月の赤ちゃんでは99%のビフィズス菌が生息していたのに、24歳になればわずか11.7%しかいなくなることが、森永乳業の研究によって明らかになりました。
乳幼児ではアンモニア、インドール、フェノールといった腐敗物質は少なかったのに、成人になるとこれらの菌が増加してしまいます。
40歳くらいから悪い菌を抑える作用が減少
女性の場合、40歳くらいから腸内環境が変化する人が増えています。
その理由は、女性は40歳くらいから自律神経の乱れがおこりやすいから。
テレビでおなじみの小林弘幸さんは、「男性は30代、女性は40代になったら自律神経の機能が下がってくる」と指摘しています。
排便を促すには、自律神経を整えることが重要なのはご存知でしょうか?
食べているときや腸が働いているときは、交感神経の副交感神経が優位になるようコントロールされているのです。
ところがストレスで交感神経が優位になっていることや、女性なら40歳くらいから女性ホルモンのバランスが乱れ、自律神経失調症になる方も少なくありません。
このような状況では排便のために副交感神経を優位にすることが難しくなり、腸内環境も悪くなる傾向があります。
40代くらいから便秘に悩まされる女性が増えるのは、自律神経の乱れも関係していたのです。
1-8・乳酸菌はずっと腸に住み着くことができない
乳酸菌は食品から摂取しても、腸に住み着くことはできません。
よく乳酸菌食品で「生きたまま腸まで届く乳酸菌」と記載されていることがあります。
このような広告を見ると「乳酸菌を摂取すると、腸で増殖して健康に効果がある」と勘違いしてしまう方もいるでしょう。
実は、乳酸菌食品を摂取しても、単に乳酸菌が腸を通過し、便と一緒に排出されているだけなのです。
つまり乳酸菌の摂取を止めてしまえば、食品に含まれる乳酸菌が腸に作用することはなくなり、効果がなくなってしまいます。
だから毎日摂取する必要がある
食品から乳酸菌を摂取する目的は、腸内の乳酸菌を増やすという意味ではなく、乳酸菌が発生させる乳酸によって、腸内環境を整えるためです。
悪玉菌が住みにくい環境をつくり、善玉菌が居心地よい状況をつくるために、食品で乳酸菌を摂取します。
乳酸菌の摂取は止めてしまえば効果がなくなってしまうものですから、毎日継続して摂取することが大切です。
食べた乳酸菌が腸内を通過する時間は、10時間程度ともいわれているため、サプリで乳酸菌を摂取するなら1日1~2回に分けるようにしましょう。
1-9・発見されたものでも600種類ある
乳酸菌は種類が多く、発見されたものでも600種類、正式に認められたものでも250種類以上あります。
それぞれの乳酸菌によっても性質が異なるため、正しく比較するには学名で判断するしかありません。
発見されていないものでも数千種類といわれる
乳酸菌は各社がそれぞれ発見し、特許を取得しているものもあります。
それぞれの種類を一般の方が把握することは難しいため、有名な乳酸菌とその効果だけ簡単に覚えておきましょう。
乳酸菌シロタ株
ヤクルト独自の乳酸菌で、胃液や胆汁にも負けず生きて腸まで届くのが特徴です。
正式名称は「ラクトバチルス カゼイ シロタ株」で、植物系乳酸菌の一種となります。
発酵乳や乳酸菌飲料には、ラクトバチルスという菌の種類の乳酸菌が使われていることが多いようです。
ヤクルトの実験では、腸内に住むビフィズス菌の増加を確認しており、有害物質の生成を抑えることがわかっています。
キリングループが発見した乳酸菌で、アトピーや花粉症に効果があるとされています。
「ラクトバチルス属パラカゼイ菌KW3100株」という正式名称で、生きたまま腸まで届く乳酸菌です。
現在キリングループは撤退し、ヤクルトや小岩井の乳酸菌食品として利用できます。
明治乳業の乳酸菌で、正式名称は「ラクトバチルスガッセリ―OLL2716株」です。
酸に強い性質を持ち、胃酸の条件でも増殖が可能で、「胃で働く」というコンセプトの乳酸菌となっています。
そのため、ピロリ菌除去への効果が期待されています。
1-10・乳酸菌の数え方
乳酸菌食品には「乳酸菌100億個配合」や「乳酸菌〇mg配合」というように、配合量の表示が異なり、どれを選んだらいいのか迷ってしまうことがあります。
乾燥重量と湿重量がある
乳酸菌は乾燥させたものと、水分を含んだ状態の湿重量の2種類が存在しています。
サプリのような加工食品では乾燥させた乳酸菌、ヨーグルトや乳酸菌飲料では湿重量の乳酸菌です。
乳酸菌はフリーズドライ加工ができるようになり、長期保存が可能となりました。
ヨーグルトや乳酸菌飲料を作る場合は、乾燥させた乳酸菌を混ぜています。
ヤクルト400であれば、乳酸菌シロタ株を1本に400憶個含んでいる商品です。
ヨーグルトや乳酸菌飲料では〇〇mgと表現する商品もあります。
サプリメントで使用されている乳酸菌では、専用の機械を使ってどのくらいの乳酸菌が含まれているかカウントしています。
そのため、〇〇個と表現する商品が多いようです。
実は水分を含んだ乳酸菌も、乾燥した乳酸菌も、数えるときには死んだ乳酸菌も含めています。
どの会社でも「生きている乳酸菌」と表現していますが、実際には死んだ乳酸菌も含まれた数です。
ある一定量を採取して希釈し、それをシャーレに取って培養してから、もとの数に戻して数えます。
2・腸に住み着く菌とは?
乳酸菌を毎日摂取する目的を理解する前に、腸内細菌とはどんな菌が存在しているのか知る必要があります。
腸内細菌とは
- 善玉菌
- 悪玉菌
- 日和見菌
と3種類があります。
これらの特徴をそれぞれ比較してみましょう。
2-1・ビフィズス菌(乳酸菌)などの善玉菌
腸内細菌にはビフィズス菌などの乳酸菌が存在しています。
悪玉菌の増殖を防ぎ、腸のぜん動運動を促す働きがある菌です。
人の腸内では2割ほどが善玉菌となっています。
善玉菌を増やす
腸内の善玉菌の割合を増やすには、食生活の改善が求められています。
- 食物繊維をとる
- 乳酸菌を摂取する
これらの食生活を心がけると、腸内の善玉菌が増えやすくなります。
乳酸菌とビフィズス菌の違い
乳酸菌とは乳酸を産生させる菌の総称で、ビフィズス菌は乳酸と酢酸をつくりだすため、乳酸菌に分類されています。
小腸に多いのが乳酸菌で、大腸に多いのがビフィズス菌です。
乳酸菌は土壌や植物にも存在し、乳製品や漬物などの食べ物からも摂取できます。
ビフィズス菌は人や動物の腸内に存在する乳酸菌で、酸素があると生育することはできません。
人の腸内に存在する乳酸菌とはビフィズス菌のことで、大腸内では乳酸菌が0.1%なのに対し、ビフィズス菌は99.9%と多くの割合を占めています。
乳酸菌とビフィズス菌は生物学的には異なるもので、腸内環境を改善させるなら、乳酸菌とビフィズス菌の両方を摂取するのが望ましいといえます。
2-2・ウェルシュ菌や大腸菌などの悪玉菌
悪玉菌は、ウェルシュ菌、ブドウ球菌など、腸内の腐敗を促し、有毒物質をつくる菌のことです。
理想的な状態では、腸内に1割存在しています。
たんぱく質が好きな性質を持つため、肉食をしていると悪玉菌が増加しやすいため注意が必要です。
腸の炎症の原因や大腸がんの原因になります。
2-3・日和見菌
腸内ではもっとも割合が高く、7割を占めています。
善玉菌とも悪玉菌ともいえない性質で、大腸菌やバクテロイデスなどが含まれます。
悪玉菌が増えると有害な物質をつくりだしてしまうため、善玉菌を優位にしておくようにしましょう。
善玉菌が優位のときはおとなしくしている菌です。
2-4・善玉菌優勢にするのが乳酸菌の役割
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌と3つの菌が存在し、「腸内フローラ」と呼ばれる状態をつくっています。
これらの菌はいつも陣取り合戦を繰り返し、善玉菌が優位になれば日和見菌がおとなしくなり、悪玉菌が優位になれば日和見菌が有害物質を生み出し悪さをするのです。
日和見菌が悪玉菌の性質に近くなると、腸内では毒素が発生し病気の引き金となります。
加齢とともにウェルシュ菌などの悪玉菌が増加しやすく、その一方でビフィズス菌が減少しやすいため、病気になりやすいといえるのです。
3・乳酸菌は何の目的で使う?
乳酸菌をサプリや飲料で摂取するのは、特定の目的があるからです。
- 便秘解消
- ダイエット
- アレルギーの緩和
- 美肌を目指す
- インフルエンザ対策
これらが乳酸菌を摂取する目的で多くなっています。
具体的にどんな効果が期待できるのか、確認していきましょう。
メーカーに聞いても効果を教えてくれないのはなぜ?
実は乳酸菌食品を提供するメーカーに、効果や効能を聞いても、はっきりとした答えが得られないことが多くなっています。
これにはちゃんとした理由があるからなのです。
健康食品や食品に関しては、薬事法が関連してきます。
食品は栄養を摂取する目的のものであって、効果効能をうたうと薬事法という法律に違反するのです。
メーカーが違反すれば商品の販売自体ができなくなりますから、消費者にとって効果効能がわかりにくい場合もあるでしょう。
効果効能をうたうことができるのは、「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」のみです。
これ以外の食品では消費者が「〇〇に効きそう」といったように想定して使用しなければなりません。
商品によってもターゲットが違う
乳酸菌が含まれている食品は、それぞれの食品によってターゲットが異なるため、それを把握して使うようにしましょう。
メーカー側が試験内容を公開していれば、そのデータをもとに消費者は、目的に合わせて選ぶことができます。
たとえば、免疫力アップ、中性脂肪の減少、食中毒予防などの効果です。
乳酸菌によってもターゲットが異なるため、目的に合わせて乳酸菌の種類を使い分けてください。
3-1・便秘解消
乳酸菌を摂取する目的では、便秘解消を希望する方が多いでしょう。
- お腹の張りがひどい
- おならのニオイがひどい
これらの症状がある方は、悪玉菌が優位になっています。
便秘は腸内細菌のバランスが関係しており、悪玉菌が優位になり有害物質を増加させると、腸のぜん動運動が低下し便秘になるのです。
乳酸菌が便秘解消にいいのは、乳酸菌が糖を原料に乳酸をつくりだし、腸内を酸性に保つからです。
腸内が酸性に保たれている状態では、悪玉菌が増殖できず、日和見菌がおとなしい状態になります。
乳酸菌を定期的に摂取していれば、便秘の解消に結び付き、悪玉菌優位から善玉菌優位に近づけるのに役立てられるのです。
3-2・ダイエット
「太りやすい人と関係している腸内細菌が発見された」
このような論文が発表されたとニュースで報じられ、話題となっています。
どうやらその論文では、痩せている人の腸内細菌の種類と、太っている人との腸内細菌の種類が違うというのです。
将来は、痩せている人の腸内細菌を、太っている人に移すことで、肥満予防の効果が期待できるといわれています。
その論文とは、2006年の「ネイチャー」という科学雑誌に掲載された内容でした。
痩せた人の腸内細菌と、太っている人の腸内細菌には特徴が見られていました。
さらにマウスを使って、肥満マウスの腸内細菌を、別のマウスに移したところ、脂肪量が増えたというのです。
もともと腸内菌は母親譲りであることから、「母親が太っているから、自分も太っている」ということは十分あり得ることです。
このように生まれつきの体質があっても、後天的に腸内細菌のバランスを変えることで、肥満治療への関心が高まっています。
肥満と痩せ型の違いとは?
ネイチャーに掲載された論文によると、太っている人には「ファーミキューテス菌」が多く、痩せている人に多い「バクテロイデーテス類」がが少ないことがわかりました。
最近よく耳にする、デブ菌・ヤセ菌のことですね。
ファーミキューテス類(デブ菌)には、消化機能が高く必要以上に栄養を吸収してしまうデメリットがあります。
だからこそ、同じものを食べている家族でも、太っている人もいれば、痩せている人もいるという結果です。
食生活を変えることで痩せることができる
「あまり食べていないのに太りやすい」、「毎日排便がない」
このような人は腸内環境が乱れて、肥満の人が持つ腸内細菌が増加している可能性があります。
ネイチャーで掲載された論文でも、「食生活の改善で腸内環境は変えられる」としているため、太りやすい方は、乳酸菌を増やす食事を心がけましょう。
食事で乳酸菌を増やす対策ができない方は、乳酸菌サプリの活用がおススメです。
3-3・アレルギーの緩和
乳酸菌のなかには、アレルギー緩和効果が証明されたデータが発表されたものもあります。
- L-92乳酸菌(カルピス)
- KW3110株(キリン)
- 乳酸菌 LP 0132(ヤクルト)
これらの乳酸菌は、アレルギー改善のデータが公開されています。
L-92乳酸菌による1~12歳アトピー性皮膚炎の方50名を使った実験では、8週間の摂取によって、L-92乳酸菌を含まないグループと比べて、L-92乳酸菌を含むグループで皮膚症状が改善されました。
KW3110株では、アレルギーを持つ動物モデルで摂取させたところIgE値が減少し、花粉症の人を対象とした実験では一般的な乳酸菌と比べてアレルギー改善効果があることがわかったのです。
ヤクルトの乳酸菌 LP 0132を用いた実験では、アレルギー性鼻炎に対する調査です。
33名を対象に乳酸菌飲料を8週間飲ませたところ、スコアが改善され、アレルギー性鼻炎と関係するアレルギー関連因子の改善が認められました。
乳酸菌によりアレルギー改善を求める方は、メーカーが提示するデータを参考のうえ選ぶとよいでしょう。
3-4・美肌を目指す
腸内環境と美肌は密接な関係性があります。
その理由は肌にも腸にも善玉菌が住み着いているからです。
皮膚の表面には「表皮ブドウ球菌」が住み着き、細菌や汗を食べて分泌物を出し、それが皮膚の天然のクリームとなります。
皮膚の状態がよい人は、腸内環境も整っているといえるのです。
逆に肌荒れしやすい方は、皮膚の表皮ブドウ菌が減少し、悪さをする黄色ブドウ球菌が増加します。
腸内環境が乱れて悪玉菌が増加するために、毒素が腸管から吸収され皮膚に到達することで、皮膚にも影響を及ぼすことがわかってきました。
3-5・インフルエンザ対策
乳酸菌はインフルエンザ対策としても摂取することができます。
しかし、どの菌がインフルエンザに効果があるかはあまり知られていないようです。
- LGG菌、TMC0356菌(タカナシ乳業)
- ガセリ菌SP株(メグミルク)
などがインフルエンザへの効果をデータとして公開しています。
タカナシ乳業はマウスを使った試験により、2つの乳酸菌を3日間鼻腔内に投与し、インフルエンザウイルスに感染させたところ、発症率が優位に減少しました。
メグミルクのガセリ菌SP株は、マウスを使ってA型インフルエンザウイルスを鼻から摂取させたところ、ガセリ菌SP株を与えたマウスで生存率が上昇しました。
肺の中のA型インフルエンザウイルスの量が減少することも確認したそうです。
腸は最大の免疫器官
乳酸菌で腸内細菌を改善させると、インフルエンザ対策にもなるのは、腸は人の最大免疫器官だといえるからです。
全身にある免疫細胞のうち、6割が腸内にあるといわれています。
腸の中には、Th1細胞やNK細胞などといった免疫細胞が存在し、これらが働くことによって感染症から守ってくれているのです。
腸内にある免疫細胞の働きは、日々体内に侵入してきた細菌やウイルスを攻撃することです。
有害物質の侵入は腸粘膜からが多く、毎日発生するがん細胞も腸に多くできるため、これらから守るために腸内の免疫細胞が働いてくれています。
腸内環境が乱れた状態では、細菌やウイルスを正しく判断することができなくなり、免疫が異常を起こして自身さえも攻撃してしまうことがあります。
下痢が起こりやすい人や、過敏性大腸炎の方、大腸炎なども免疫力の異常と関係があることがわかっているのです。
4・生きている乳酸菌とは?
乳酸菌飲料や乳酸菌サプリの広告を見ると「生きている乳酸菌」と書かれていることがあります。
そのため消費者としては、「生きていたほうが乳酸菌は効果があるのでは?」と思い込んでいる人が多いようです。
結論からいうと「乳酸菌は生きてなくても問題がない」となります。
なぜ乳酸菌が生きていなくても効果が期待できるのか、次のような内容で説明していきましょう。
- 仮死状態や眠らせている状態
- 胃酸で生き残れない場合もある
- 死んでいても意味がある
- 腸までたどり着いても、先客がいるので定着する可能性は低い
- 腸内の善玉菌を加勢することに意味がある
- 生きた乳酸気を飲料に入れるのは無理
このような順番で解説していきます。
4-1・仮死状態や眠らせている状態
乳酸菌サプリの生きている乳酸菌は、仮死状態や眠らせている状態のものもあります。
乳酸菌が含まれている「新ビオフェルミンS」の公式サイトには、次のように記載されています。
「乳酸菌の活動を止めた状態で製剤化しています。腸内に届くと水分や栄養分を吸収して再び活性状態に戻り、増殖を開始します。」
つまり仮死状態の粉末状態で加工されており、体内に入り水分を取り戻すと再び活性状態になるということです。
生きたまま腸まで乳酸菌を届ける仕組みは、乳酸菌を粉末状に加工することが重要となります。
4-2・胃酸で生き残れない場合もある
そもそも仮死状態にした乳酸菌であっても、酸に弱い乳酸菌が多く、ほとんどは生き残ることができません。
明治乳業のLG21乳酸菌のように胃酸に強い性質のものもありますが、多くの乳酸菌は胃酸で壊れてしまいます。
多くの乳酸菌が胃酸で壊れてしまうため、胃で死なない乳酸菌を開発したのが、ヤクルトの生みの親である代田稔氏でした。
しかし、その当時の測定法は確立されておらず、いまだに生きた乳酸菌が腸内で増加するという論文がないため、「乳酸菌は腸まで届く必要がない」と指摘する専門家もいるようです。
バイオジェニックス連絡協議会 議員の菅 辰彦氏は、
- 外来の乳酸菌は腸では増えない
- 小腸にもたくさんの乳酸菌を殺す物質がある
- 死菌だけで腸内環境は改善する
このように説明しています。
なるべく空腹時に飲むといい
胃酸で乳酸菌を壊したくないと感じるなら、胃酸の分泌量が少ない空腹時に服用しましょう。
または、ピロリ菌に効果を求めるなら、胃酸に強い乳酸菌でなければなりませんから、LG21乳酸菌のようにもともと胃酸に強い乳酸菌を選ぶ必要があります。
4-3・死んでいても意味がある
そもそも乳酸菌は生きていても、死んでいても意味があるものなのです。
死んだ乳酸菌であっても腸を通過することに意味があります。
加熱殺菌した乳酸菌を11人の方に2か月摂取してもらったところ、11人中9人が排便状態の改善がみられました。
さらに8人の方に加熱殺菌した乳酸菌を2週間摂取してもらったところ、腸内のビフィズス菌が増加し、ウェルシュ菌が減少した結果となったのです。
殺菌処理された乳酸菌では、腸内で乳酸をつくり出す能力はありません。
それにもかかわらず腸内環境が改善されたということは、乳酸の産生とは関係がないといえるのです。
体にもともといる乳酸菌に栄養を与えるため
死んだ乳酸菌は、体内に入っても胃酸や胆汁の影響を受けることはありません。
そのままの状態で腸までたどり着き、もともといる乳酸菌の栄養源となり、腸内の善玉菌を優位にさせる効果があるものなのです。
4-4・腸までたどり着いても、先客がいるので定着する可能性は低い
腸内に住み着いている乳酸菌とはビフィズス菌がほとんどで、乳酸菌の割合は少なくなっています。
乳酸菌を食品で摂取しても、すでにさまざまな細菌が住み着いているため、定着する可能性は少ないです。
「生きたまま腸まで届く」というのはイメージであって、腸まで乳酸菌が届く必要はありません。
腸には多数の免疫細胞が存在していると紹介しましたが、好中球やマクロファージのような免疫細胞も、腸管に入ってきた菌をとらえてしまいます。
乳酸菌が生きたまま腸まで届くことができても、免疫機能によって生きた乳酸菌が死んでしまう可能性が高いのです。
4-5・腸内の善玉菌を加勢することに意味がある
ビフィズス菌をはじめとする腸内細菌の研究の世界的権威である、光岡知足氏も「乳酸菌は生きている必要がない」とはっきりと言っています。
ヨーグルト不老長寿説を唱えたメチニコフは100年前に「生きた菌でなくてもいい」と発表しているおり、死んだ乳酸菌でも摂取することで、自分のビフィズス菌が増えることがわかっているそうです。
4-6・生きた乳酸菌を飲料に入れるのは無理
そもそも生きた乳酸菌を飲料に入れるのは、難しいのではないでしょうか。
乳酸菌が生きた状態で入れられ、そのまま発酵した状態であれば、容器が膨れ上がり中身が飛び出る恐れがあります。
乳酸菌飲料は食品ですから、すべて加工の段階で加熱殺菌する必要があるものです。
明治の公式サイトでは、「乳酸菌は生きていません。乳酸菌がもつ作用は、生菌でも、殺菌でもそれほど違いはないと考えられています。」と記載されています。
乳酸菌飲料に「生きた乳酸菌」と記載されていても、それは加工の段階までの可能性があるでしょう。
5・乳酸菌が含まれている食物
腸内環境を整えてさまざまな効果を得たい方は、食品からも乳酸菌が摂取できます。
日々の生活で乳酸菌の摂取が必要ですから、毎日の食事でできるだけ乳酸菌を補うようにしましょう。
5-1・ヨーグルト
乳酸菌が含まれる食品で代表的なものは、ヨーグルトです。
スーパーでも買うことができて、手軽に乳酸菌を摂取できます。
メーカーによっては、胃に強いといわれるものや、アレルギー対策となるもの、免疫力アップに効果があるものなど、さまざまなうたわれ方がされているようです。
ヨーグルトには乳糖が含まれていますから、腸に住み着いている善玉菌の餌になるメリットもあります。
腸内環境が改善されるかは食べてみないとわからない部分もあるため、複数の銘柄のヨーグルトを食べてみて、何らかの効果を実感したものを選びましょう。
毎日食べることが重要となりますから、味や食感、価格なども比較することをおススメします。
腸まで届きにくいといわれる
ヨーグルトに含まれる乳酸菌自体は、腸まで届くものは非常に少ないようです。
すでに説明したとおり、乳酸菌は生きて腸まで届く必要はありませんから、気にする必要はありません。
毎日継続して食べられるなら、ヨーグルトに含まれる乳酸菌でも整腸作用が期待できます。
5-2・味噌や漬物などの発酵食品
味噌、漬物、チーズなど発酵食品には乳酸菌が含まれています。
最近では加熱殺菌しない生きた味噌の製造は少なく、市販の味噌に酵母や乳酸菌が生きたまま含まれているものは少ないようです。
しかし、腸内細菌を整えるための乳酸菌は、生きている必要がないため、市販の味噌でも十分期待できるでしょう。
生きた乳酸菌にこだわりたい方は、加熱殺菌されておらず、添加物を入れていない、蔵元直送品を手に入れてください。
スーパーで陳列する味噌が生きていると、長時間発酵を続けてしまい、都合が悪くなります。
蔵元直送でしたら、生きたままでも発送してもらうことが可能です。
5-3・キムチ
キムチも味噌や漬物と同様に、乳酸菌が含まれる発酵食品です。
本来のキムチとは、ヤンニョムを白菜にまぶし発酵させたものとなります。
スーパーで売られているキムチは、自然発酵させたものでないものも多く、注意が必要です。
本物の発酵されたキムチを購入するなら、無添加のものを選びましょう。
ラクトバチルス菌は胃酸に強く腸まで届く
キムチに含まれる乳酸菌は、ラクトバチルス菌という種類です。
ヨーグルトや乳酸菌飲料に含まれることもある乳酸菌で、胃酸に強い性質を持ちます。
ただし、発酵が進んでしまうと酸っぱい味になってしまうため、キムチを買ったら酸味が出ないうちに早めに食べましょう。
5-4・ヤクルト
乳酸菌飲料で代表的なものといえば、ヤクルトです。
1935年に乳酸菌飲料が発売され、幅広い人が一度は飲んだことがある飲料だといえます。
使われている乳酸菌シロタ株は、高血圧、潰瘍性大腸炎などたくさんの研究データを公開しているのが特徴です。
スーパーで売られているヤクルト以外にも、ヤクルトレディからしか買えない乳酸菌の量が多いタイプもあります。
腸まで届く乳酸菌
特徴的なのが、生きたまま腸まで届く乳酸菌を使っていることです。
ヤクルトの試験によると、乳酸菌シロタ株1日100億個を4週間続けることで、糞便1gあたりの生菌の数は1,000万個以上にものぼるというデータが出ています。
続けることでもともとの腸内に住み着くビフィズス菌を増やすというデータが出ているようです。
6・乳酸菌サプリのメリット
乳酸菌飲料やヨーグルトのように毎日食べるものだと続かない方は、乳酸菌サプリの利用がおススメです。
乳酸菌サプリには以下のように3つのメリットがあります。
- 複数の乳酸菌を一度に摂取できる
- 腸まで届く工夫がされているものが多い
- 乳酸菌飲料はデメリットがあるから
これらの特徴を詳しくみていきましょう。
6-1・複数の乳酸菌を一度に摂取できる
乳酸菌といっても250以上もの種類があるため、自分に合う乳酸菌がどれなのかわかりにくい方も多いでしょう。
各メーカーでもコンセプトがわかれており、複数の効果を期待したい方にとって、1種類のみの乳酸菌だと物足りないことがあります。
その点、乳酸菌サプリでは2種類以上の乳酸菌を一度に摂取できるものが多くなっています。
腸内環境を整える乳酸菌、免疫力アップの乳酸菌、アレルギー対策の乳酸菌など、複数の乳酸菌が含まれていれば、1つのサプリのみでさまざまな健康対策ができるのがメリットです。
6-2・腸まで届く工夫がされているものが多い
乳酸菌サプリでよくみかけるのが、「耐酸性カプセル」というものです。
耐酸性カプセルとは、胃酸で溶けず腸で溶けるようつくられたカプセルとなっています。
乳酸菌は胃酸に弱いものが多いためで、腸までしっかり届けたいというニーズから採用するメーカーも多いようです。
乳酸菌が生きたまま腸まで届くメリットは、乳酸菌がつくりだす乳酸の作用が得られるからです。
死菌でも効果があると説明しましたが、乳酸菌による乳酸の作用を得たいなら、同時に生きた菌もとるべきだといえます。
乳酸は悪玉菌が住みにくい環境をつくるのに最適な物質ですから、耐酸性カプセルで生きた乳酸菌を摂取することも意味があることなのです。
6-3・乳酸菌飲料はデメリットがあるから
乳酸菌飲料は甘くて飲みにくいという方もいるでしょう。
そのような方にとって、カロリーや糖分が少ない乳酸菌サプリは、飲みやすいと感じられます。
糖分が多い
ヤクルトでみてみると、1本で角砂糖2個分の糖分が含まれています。
カロリー自体は1本50キロカロリー程度ですから、太り過ぎる心配はありません。
糖分が少ないヤクルトカロリーハーフは、糖分が半分までカットされている代わりに、甘味料としてスクラロースが含まれているため注意が必要です。
飲み過ぎるとお腹が緩くなる可能性があるため、飲み過ぎには注意しましょう。
乳酸菌だけだと酸っぱいので糖分を加えている
乳酸菌飲料に糖分が多く含まれているのは、乳酸菌が含まれおり、酸っぱいためです。
糖尿病の方や、ダイエット中の方、糖質を制限されている方は、乳酸菌飲料の糖質が問題となる可能性もあります。
まとめ
乳酸菌を摂取する目的は、乳酸菌が産生する乳酸に、腸内を酸性にする作用があるからです。
これによって悪玉菌が住みにくい環境がつくられ、腸内環境が整えられていきます。
乳酸菌が発酵食品にも使われているのは、この酸性の性質を利用し腐敗しにくくするためです。
「乳酸菌は生きている必要がない」ということは
- 外部から摂取しても腸に定着するわけではない
- もともとある善玉菌の餌となる
- 善玉菌を加勢することに意味がある
ということから、現在乳酸菌は腸まで届かなくても、腸内環境を改善する効果があることがわかっています。
乳酸菌サプリで耐酸性カプセルを使用し腸まで届くものや、乳酸菌飲料やヨーグルトで腸まで届くものも、決して意味がないというわけではありません。
乳酸菌がつくりだす乳酸により腸内が酸性に傾き、悪玉菌が住みにくい環境をつくるという意味もあります。
毎日の食品で乳酸菌を摂取できる方はそのまま続けて、忙しい方や40代以降で乳酸菌摂取を心がけなければならない方は、耐酸性カプセルを使った乳酸菌サプリを活用してみるとよいでしょう。