ラクトフェリンって?
ラクトフェリンは糖タンパク質の一種です。
免疫や抗菌作用に優れたラクトフェリンは、哺乳類の乳に多く含まれており、産まれたばかりの赤ちゃんをあらゆるウイルスや細菌から守ってくれる役割があります。
とくに人間の母乳にの初乳(生後0~10日あたり)に多く含まれており、50ml当たり約300mg、成乳になるとその含有量は1/3にまで減少していきます。
他にも、涙や唾液など外界と直接触れる場所にも含まれ、外界からの刺激や感染から体を守っています。
現在、ラクトフェリンは病気に対する作用が注目されており、様々な研究が行われています。ウイルスに対する抗菌作用や、抗炎症作用、IgE産生抑制作用、発がんの予防などの効果報告が多数あります。
鉄と結びつく作用
ラクトフェリンは、ラクト(乳)フェリン(鉄)という名前の意味通り、鉄と結びつく作用があります。
そのため、鉄と結合して繁殖する病原菌から鉄を奪い、生育環境を無くしたり、免疫細胞であるマクロファージや好中球の中で鉄と結びついて、病原菌を攻撃。抗菌作用を発揮します。
また、ラクトフェリンに対する抗菌性の研究では、水虫・歯周病・腸内の悪玉菌・風邪の原因となるウイルスや細菌・肝炎の原因となるウイルスなど多彩にわたります。
とくにラクトフェリンを利用した歯科治療が注目されており、歯周病予防法の1つとして取り入れられています。
ラクトフェリンのデメリット
様々な効果をもつ万能な成分という感じがしますが、実はラクトフェリンにもデメリットがあります。
ラクトフェリンは血中半減期が極めて短い特徴があります。さらにラクトフェリンは糖たんぱく質の一種で、熱や酸に弱くそのまま取り込んだだけでは数分程度で消失します。
サプリメントやヨーグルトに添加しても、胃酸でほとんどが分解されてしまいます。
乳幼児の場合は消化器官がまだ発達しておらず、母乳からラクトフェリンを摂取しても分解されず腸まで届けることができますが、成人も同様の効果を得るためには、「腸溶性」または「耐酸性」の特殊な加工が施されたサプリメントでなければなりません。